家を建てる時、家と同じように庭もバランスのとれたものにする方法を教えてください。

以前は、新しい住宅地では家を建てるだけで精一杯、庭は日差しを避けるための植木、隣地や道路との境をはっきりさせるための塀、 車庫の庇、といった要素の集合でした。最近その重要性を増し、工夫された庭になりつつあります。
これからの「庭の役割」を簡単に整理すると次のような内容になると思います。

  1. 家の空間の延長として考え、光、風の影響を考慮したそれぞれの位置関係を決める。
  2. 敷地内の事柄と考えず、周囲の連続した町並みの構成 要素と考え、道路など外部からの景観も重視する。
  3. 雨水の再利用、自家発電、生ゴミ処理、といった環境を配慮した機能を庭の中に設置することをあらかじめ考える 。

最近は、手軽に園芸資材や外構資材が手に入るよう になり、ヨーロッパ流のガーデニングが盛んで、道路からの景観も綺麗な庭の連続で目を楽しませてくれるようにな りました。これは大変良いことだと思います。

庭の管理を継続するのは相当の努力も必要で、何年かすると空き鉢の山となることは避けたいものです。そして、ぜいたくを言えば、みんな同じでなく、各家庭それぞれの個性の差ができるような物になると良いと思います。

『月刊ぷらざ2003年1月号掲載』回答:松本金弥(JIA会員)

6 月 13, 2005 カテゴリー: 庭づくり | | コメント (0)

植栽・庭づくりの計画について教えてください。

住宅を計画するにあたり、外部空間(庭)も同時に考えておきたいものです。分譲地で家とフェンスだけ建っているのを時々見かけますが、なんとも寂しいものです。予算上つい後回しになってしまうのでしょうが、おおよそ工事費の2~5%もあれば そこそこの庭が計画できます。

私たち設計者は住宅を計画する場合、外(庭)とのかかわり・バランスを大切に考えます。窓から見える風景や庭と内部空間のつながり方、樹木による陽射しの調整や目隠し、風除け効果など。広い敷地であれば開放的な関係が可能ですし、狭く煩雑な環境であればプライバシーを考慮した庭の計画が必要となります。よく内が先か、外が先かという話になりますが、私はよく計画された外部空間があってこそ室内空間が生きてくると思います。

庭では樹木が主役です。まず自分が気に入った木を一つ選び、家(空間)の中心に置いてみましょう。その木を眺めて楽しむ場所、木もれ陽や木かげを楽しむ場所、風の音を聴く場所、いろいろなイメージを膨らませながら生活空間を計画してみてはいかがでしょうか。

『月刊ぷらざ2002年10月号掲載』回答: 長井淳一(JIA会員)

6 月 13, 2005 カテゴリー: 庭づくり | | コメント (0)